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危険物乙4の試験で最も問題数が多いのが「危険物の性質・火災予防・消火の方法」科目(20問)です。12問以上(60%)正解すれば合格ライン。しかしガソリン・灯油・軽油・重油・アルコール類など多くの物質の性質を覚える必要があり、混乱する人も多い科目です。
この記事では、性質・消火分野を効率よく暗記するための方法と語呂合わせを紹介します。
覚えるべき「性質」の3点セット
各危険物について、「分類・指定数量・引火点」の3点セットを覚えることが最優先です。
| 物質 | 分類 | 指定数量 | 引火点 | 水溶性 |
|---|---|---|---|---|
| ジエチルエーテル | 特殊引火物 | 50 L | -45℃ | なし |
| 二硫化炭素 | 特殊引火物 | 50 L | -30℃ | なし |
| ガソリン | 第1石油類(非) | 200 L | -40℃以下 | なし |
| アセトン | 第1石油類(水) | 400 L | -20℃ | あり |
| エタノール | アルコール類 | 400 L | 13℃ | あり |
| メタノール | アルコール類 | 400 L | 11℃ | あり |
| 灯油 | 第2石油類(非) | 1,000 L | 40〜60℃ | なし |
| 軽油 | 第2石油類(非) | 1,000 L | 45〜70℃ | なし |
| 重油 | 第3石油類(非) | 2,000 L | 70℃以上 | なし |
| アマニ油 | 動植物油類 | 10,000 L | 250℃未満 | なし |
この表を毎日見る習慣をつけるだけでも大きな効果があります。
語呂合わせで覚える指定数量
指定数量の数字は試験で必ず問われます。以下の語呂合わせで覚えましょう。
「特殊引火物は50 L」
「特殊な人は孤独(こどく)→50」
孤独 → 5(こ)0(どく)→ 50 L
「ガソリンは200 L」
「ガソリン車は200(にひゃく)馬力!」
200 = に(2)ひゃく(100+100)→ ガソリン200 L
「アセトン・エタノールは400 L」
「水に溶ける(水溶性)ものは2倍(400 L)」
非水溶性の第1石油類(ガソリン)200 Lの2倍 = 水溶性400 L
「灯油・軽油は1,000 L」
「灯油・軽油は一緒に1,000 L(千リットル)」
灯油と軽油は同じ第2石油類・同じ指定数量1,000 L
「重油は2,000 L」
「重(おも)い油は2倍(2,000 L)」
灯油1,000 Lの2倍 = 重油2,000 L
区分ごとの性質まとめ
特殊引火物の特徴
- 第4類の中で最も危険性が高い
- 引火点-20℃以下 または 発火点100℃以下
- 指定数量50 L(最小 = 最危険)
- 代表例:ジエチルエーテル・二硫化炭素・アセトアルデヒド
二硫化炭素の特徴(頻出):
- 発火点90℃と非常に低い(熱湯でも発火の危険)
- 液比重1.26(水より重い = 例外的存在)
- 毒性あり
第1石油類の特徴
- 引火点21℃未満(常温での引火リスクが高い)
- 非水溶性200 L、水溶性400 L
- ガソリン・トルエン・ベンゼン(非水溶性)
- アセトン(水溶性)
ガソリンの特徴(最頻出):
- 引火点-40℃以下(冬季でも引火する)
- 無色透明(着色してオレンジに見える)
- 混合物(炭化水素の混合)
- 蒸気は空気の3〜4倍重い
アルコール類の特徴
- 炭素数1〜3の飽和一価アルコール
- 全て水溶性・指定数量400 L
- 通常の泡消火剤は使えない → 耐アルコール泡が必要
メタノールの注意点(頻出):
- 摂取すると失明・死亡の危険がある毒性がある
- 見た目・臭いがエタノールと似ている
第2石油類の特徴
- 引火点21℃以上70℃未満
- 非水溶性1,000 L、水溶性2,000 L
- 灯油・軽油(非水溶性)が代表
灯油と軽油の比較:
- 灯油:引火点40〜60℃(ストーブ燃料)
- 軽油:引火点45〜70℃(ディーゼル車燃料)
- 分類・指定数量は同じ(どちらも第2石油類・1,000 L)
第3石油類の特徴
- 引火点70℃以上200℃未満
- 非水溶性2,000 L、水溶性4,000 L
- 重油・クレオソート油(非水溶性)
重油の特徴(頻出):
- 常温では引火しにくい(引火点70℃以上)
- 霧状・加熱時は危険になる
- ボイラー燃料として使用
動植物油類の特徴
- 引火点250℃未満
- 指定数量10,000 L(最大 = 最も危険性が低い)
- 乾性油(アマニ油・キリ油)は自然発火の危険がある
ヨウ素価と乾性油:
- ヨウ素価130以上 → 乾性油 → 自然発火しやすい
- ヨウ素価100〜130 → 半乾性油 → 中程度
- ヨウ素価100以下 → 不乾性油 → 自然発火しにくい
覚え方:「ヨウ素価が高い(130以上)=乾いてしまう(乾性)=自然発火しやすい」
消火方法の覚え方
第4類に水が使えない理由
第4類危険物のほとんどは液比重が1未満(水より軽い)。水をかけると危険物が水面に浮き、燃焼面が広がります。
第4類の消火に有効な消火剤
| 消火剤 | 消火効果 | 注意点 |
|---|---|---|
| 泡消火剤 | 窒息 + 冷却 | 水溶性液体にはNG(耐アルコール泡が必要) |
| CO2消火剤 | 窒息 | 電気設備にも使える |
| 粉末消火剤 | 窒息 + 抑制 | 電気設備にも使える |
| ハロン代替 | 窒息 + 抑制 | 電気設備にも使える |
| 水消火剤 | 冷却 | 第4類には使えない |
覚え方:「第4類に水はNG。電気に泡はNG。粉末・CO2は万能」
耐アルコール泡が必要な場合
アルコール類・アセトンなどの水溶性液体の火災には、通常の泡消火剤が溶けて効果がなくなります。**耐アルコール泡(水溶性液体用泡)**を使用する必要があります。
覚え方:「水に溶ける(水溶性)には、溶けない泡(耐アルコール泡)を」
暗記の定着法
1. 毎日表を見る習慣をつける
性質・消火の主要な表(指定数量・引火点一覧)を印刷して、毎日目に入る場所に貼ります。
2. 関連する物質をまとめて覚える
灯油と軽油はセットで、「どちらも第2石油類・1,000 L」と覚えます。個別に覚えるより関連で覚えるほうが定着しやすいです。
3. 実生活と結びつける
ガソリンはガソリンスタンドで入れる燃料。灯油はストーブ。重油はビルのボイラー。実生活の場面と結びつけることで記憶に残りやすくなります。
まとめ
- 性質・消火は**「分類・指定数量・引火点」の3点セット**を優先して覚える
- 語呂合わせで指定数量の数字を覚える
- 水溶性液体には耐アルコール泡・第4類に水消火はNGを確実に押さえる
- 毎日の「表を見る習慣」が暗記の最短ルート
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監修・執筆
setsucan 編集部
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