目次
危険物乙4の「危険物に関する法令」は15問の暗記科目です。消防法の規定を中心に、製造所等の種類・各種手続き・安全管理者の要件などを覚えます。
「暗記が苦手…」という方も多いですが、出題パターンが比較的固定されているため、頻出テーマを絞って覚えれば9問以上(60%以上)は確実に取れる科目です。
法令の出題範囲と頻出テーマ
| 頻出テーマ | 難易度 | 出題頻度 |
|---|---|---|
| 指定数量 | 低〜中 | 非常に高い |
| 製造所等の区分(15種類) | 中 | 高い |
| 危険物保安監督者 | 中 | 高い |
| 予防規程 | 中 | 高い |
| 定期点検 | 低 | 高い |
| 運搬と移送の違い | 中 | 高い |
| 免状の手続き | 低 | 中 |
| 保安距離・保有空地 | 中 | 中 |
| 完成検査・仮使用 | 低 | 中 |
頻出テーマ別 覚え方のコツ
1. 指定数量(最重要)
指定数量は危険物ごとに政令で定められた数量です。この数量以上を貯蔵・取扱う場合は消防法の規制が適用されます。
主な第4類危険物の指定数量
| 区分 | 物質例 | 指定数量 |
|---|---|---|
| 特殊引火物 | ジエチルエーテル | 50 L |
| 第1石油類(非水溶性) | ガソリン | 200 L |
| 第1石油類(水溶性) | アセトン | 400 L |
| アルコール類 | エタノール | 400 L |
| 第2石油類(非水溶性) | 灯油・軽油 | 1,000 L |
| 第2石油類(水溶性) | 酢酸 | 2,000 L |
| 第3石油類(非水溶性) | 重油 | 2,000 L |
| 第4石油類 | ギヤー油 | 6,000 L |
| 動植物油類 | アマニ油 | 10,000 L |
覚え方のコツ:水溶性は非水溶性の2倍の指定数量と覚える。ガソリン200 L→アセトン400 L(2倍)、灯油1,000 L→酢酸2,000 L(2倍)。
指定数量の倍数計算:
倍数 = 貯蔵量 ÷ 指定数量
複数種類の危険物がある場合は各倍数を合算します。
2. 製造所等の15種類
消防法に基づく危険物施設(製造所等)は全部で15種類あります。
製造所(1種類)
- 製造所
貯蔵所(7種類)
- 屋内貯蔵所・屋外タンク貯蔵所・屋内タンク貯蔵所・地下タンク貯蔵所・簡易タンク貯蔵所・移動タンク貯蔵所・屋外貯蔵所
取扱所(7種類)
- 給油取扱所・販売取扱所(第1種・第2種)・移送取扱所・一般取扱所
覚え方のコツ:「製1・蔵7・扱7=合計15種類」と覚える。
| 施設 | 具体例 |
|---|---|
| 給油取扱所 | ガソリンスタンド |
| 移動タンク貯蔵所 | タンクローリー |
| 屋外タンク貯蔵所 | 石油タンク |
| 地下タンク貯蔵所 | GS地下タンク |
3. 危険物保安監督者
選任要件(2つとも必要):
- 甲種、または取り扱う類の乙種危険物取扱者免状を持つこと
- 危険物の取扱作業の実務経験が6ヶ月以上あること
選任が必要な施設の例:
- 給油取扱所(全施設)
- 指定数量の倍数が30以上の製造所
- 屋外タンク貯蔵所(一定規模以上)
選任不要な施設:移動タンク貯蔵所(タンクローリー)
手続き:選任・解任後14日以内に市町村長等へ届け出る
丙種は選任できない点も重要です。
4. 予防規程
危険物の火災予防のために施設ごとに作成する自主保安規程です。
作成義務のある施設:
| 施設 | 条件 |
|---|---|
| 給油取扱所 | すべて |
| 製造所・一般取扱所 | 指定数量の倍数が10以上 |
| 屋外貯蔵所 | 指定数量の倍数が100以上 |
| 屋外タンク貯蔵所 | 指定数量の倍数が200以上 |
重要ポイント:市町村長等の認可が必要(届出ではなく認可)
覚え方:「給油所はすべて、製造所は10以上」
5. 定期点検
実施頻度:原則として1年に1回以上
点検結果の記録保存期間:3年間
移動タンク貯蔵所も定期点検が必要なことは頻出問題です。
6. 運搬と移送の違い
試験で特に混同されやすいポイントです。
| 運搬 | 移送 | |
|---|---|---|
| 手段 | 一般の車両(トラック等)で容器ごと | 移動タンク貯蔵所(タンクローリー)で |
| 危険物取扱者の同乗 | 不要 | 必要 |
| 例 | ガソリン缶をトラックで配送 | タンクローリーで給油所に配送 |
覚え方:「タンクローリー(移送)=免状持ちが同乗」「普通の車(運搬)=同乗不要」
7. 免状の手続き
| 手続き | 申請先 | 期限 |
|---|---|---|
| 書換え(記載事項変更時) | 全国どの都道府県知事へも可 | 変更後すみやかに |
| 再交付(紛失・損傷) | 交付した都道府県知事のみ | 事由発生後すみやかに |
| 返納命令 | 都道府県知事から命令を受ける | 命令の場合は10日以内 |
書換えはどこでもOK、再交付は交付した県だけという違いがポイントです。
8. 保安距離と保有空地
保安距離:製造所等と周辺の保護対象物の間に必要な離隔距離
| 保護対象 | 距離 |
|---|---|
| 住居(敷地外) | 10 m以上 |
| 学校・病院等(300人以上収容) | 30 m以上 |
| 文化財 | 50 m以上 |
| 高圧ガス施設 | 20 m以上 |
保安距離が不要な施設:地下タンク貯蔵所・移動タンク貯蔵所・屋内タンク貯蔵所・簡易タンク貯蔵所
保有空地:施設の周囲に設ける空間(消火活動のため)
法令の暗記に効果的な方法
表・一覧表を作って視覚的に整理する
法令は「どの施設に何の義務があるか」の組み合わせを覚えることが核心です。表を書いて整理することで全体像が把握しやすくなります。
「例外・特例」を意識して覚える
試験では「正しいものはどれか」「誤っているものはどれか」という形式が多く、例外・特例を知っているかどうかで正誤が分かれます。
例えば:
- 移動タンク貯蔵所は保安監督者が不要(例外)
- 給油取扱所はすべて予防規程が必要(例外なし)
過去問で繰り返し確認する
法令の問題は出題パターンが固定されています。setsucanの予想問題も活用して、繰り返し問題に触れることで自然と覚えられます。
まとめ
- 法令は指定数量・製造所等・保安監督者・予防規程・定期点検・運搬と移送が最重要テーマ
- 「どの施設に何の義務があるか」の組み合わせを表で整理する
- 例外・特例(移動タンクは監督者不要など)を意識して覚える
- 過去問・予想問題で繰り返し演習して記憶を定着させる
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監修・執筆
setsucan 編集部
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