目次
消防設備士乙種第6類の試験対策で最も効果的な方法のひとつが、過去問・予想問題の徹底活用です。この試験は出題パターンが比較的決まっており、繰り返し出題されるテーマが存在します。
この記事では、消防設備士乙6の出題傾向を科目別に分析し、問題演習を最大限に活かすための学習法を解説します。
消防設備士乙6の試験構成と合格基準
過去問活用法を説明する前に、試験の全体像を確認しておきましょう。
| 試験 | 問題数 | 合格基準 |
|---|---|---|
| 筆記:消防関係法令 | 15問 | 科目40%以上 |
| 筆記:基礎的知識 | 10問 | 科目40%以上 |
| 筆記:構造・機能・整備 | 20問 | 科目40%以上 |
| 実技(鑑別) | 5問 | 60%以上 |
重要: 全科目で合格基準を満たす必要があります。1科目でも40%を下回ると不合格です。
科目別の出題傾向と頻出テーマ
消防関係法令(15問)の出題傾向
法令科目は暗記が中心で、出題パターンが比較的固定されています。以下の項目は毎回のように出題されます。
最頻出テーマ
1. 点検・報告の頻度
- 機器点検: 6ヶ月に1回
- 総合点検: 1年に1回
- 特定防火対象物の点検報告: 毎年1回
- 非特定防火対象物の点検報告: 3年に1回
2. 甲種・乙種の業務範囲
- 甲種: 工事・整備・点検すべて可
- 乙種: 整備・点検のみ(工事不可)
3. 免状の書換えと再交付
- 書換え: 氏名または本籍地都道府県の変更
- 再交付: 汚損・破損・亡失
4. 防火対象物の種類
- 特定防火対象物: 飲食店・ホテル・病院など(不特定多数利用)
- 非特定防火対象物: 工場・倉庫・共同住宅など
5. 甲種消防設備士の着工届
- 工事着手の10日前までに消防署長等に届出
法令科目の学習戦略
法令は「数字の暗記」が合否を分けます。以下の数字を一覧で覚えると効率的です。
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| 機器点検 | 6ヶ月 |
| 総合点検 | 1年 |
| 特定防火対象物の報告 | 毎年 |
| 非特定防火対象物の報告 | 3年 |
| 着工届 | 10日前 |
| 蓄圧式耐圧試験開始 | 製造5年目 |
| 加圧式内部点検開始 | 製造3年目 |
基礎的知識(10問)の出題傾向
消化原理・消火剤の化学的性質が出題されます。計算問題は少なく、概念の理解と暗記が中心です。
最頻出テーマ
1. 消火器の適応火災(最出題が多いテーマ)
| 消火器の種類 | A火災 | B火災 | C火災 |
|---|---|---|---|
| ABC粉末 | 適応 | 適応 | 適応 |
| BC粉末 | 不適応 | 適応 | 適応 |
| 強化液(棒状) | 適応 | 不適応 | 不適応 |
| 強化液(霧状) | 適応 | 適応 | 適応 |
| 二酸化炭素 | 不適応 | 適応 | 適応 |
| 水 | 適応 | 不適応 | 不適応 |
特に注意: 「二酸化炭素消火器はA火災に不適応」は引っ掛け問題として定番です。
2. 粉末消火剤の主成分
- ABC粉末: 第一リン酸アンモニウム(NH4H2PO4)
- BC粉末(第一種): 炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)
- 強化液: 炭酸カリウム(K2CO3)
3. 消火の三原理
- 冷却消火: 温度を下げる(水・強化液が主体)
- 窒息消火: 酸素を遮断する(二酸化炭素・フォームが主体)
- 負触媒消火(抑制消火): 燃焼の連鎖反応を抑制(粉末が主体)
4. 蓄圧式と加圧式の構造の違い
- 蓄圧式: 常時加圧・指示圧力計あり・加圧ガスは窒素(N2)
- 加圧式: 使用時にガスカートリッジ作動・指示圧力計なし
基礎知識科目の学習戦略
適応火災の組み合わせ表を作って覚えることが効率的です。特に「CO2のA火災不適応」は繰り返し確認してください。
構造・機能・整備(20問)の出題傾向
最も問題数が多く、得点源にしやすい科目です。消火器の各部品の名称・機能と点検方法が中心です。
最頻出テーマ
1. 蓄圧式の指示圧力計
- 正常範囲: 緑色帯(0.7〜0.98MPa程度)
- 針が緑色帯内: 正常
- 針が緑色帯より低い: 漏れまたは減圧
2. 耐圧性能試験・内部点検の実施時期
- 蓄圧式: 製造5年目・以降3年ごとに耐圧性能試験
- 加圧式: 製造3年目・以降3年ごとに内部点検
3. 消火器の設置基準
- 設置高さ: 床面から頂部まで1.8m以下
- 歩行距離: 各部分から20m以内(大型消火器は30m)
- 設置温度: 40度以下の場所
4. 外観点検の確認項目
- 安全栓の取付状態・封印シール
- 本体の腐食・変形・損傷
- 指示圧力計の針の位置(蓄圧式)
- ホース・ノズルの状態
- キャップのゆるみ
5. 消火器の各部名称(実技試験にも関連)
- 安全栓・操作レバー・本体容器・指示圧力計・ホース・ノズル・キャップ・加圧用ガス容器(加圧式)
効果的な問題演習サイクル
過去問・予想問題を最大限に活かすための学習サイクルを紹介します。
4サイクル学習法
第1サイクル(理解確認) テキストで学んだ後に問題を解く。正誤より「なぜこの答えなのか」を理解することを優先。全問の解説を読む。
第2サイクル(定着確認) 1週間後に同じ問題を解く。正解できなかった問題に印をつける。
第3サイクル(弱点補強) 印をつけた問題だけを再度解く。再度間違えた問題はテキストに戻って復習。
第4サイクル(直前仕上げ) 試験前日〜3日前に全問を解き直す。時間を計って本番シミュレーション。
1日の学習の組み立て方
| 時間帯 | 内容 |
|---|---|
| 通勤・移動中 | スマートフォンで過去問を解く(当サイト活用) |
| 帰宅後30分 | その日の学習範囲のテキストを読む |
| 帰宅後30分 | 対応する問題集の問題を解く |
| 就寝前10分 | 間違えた問題の解説を読み返す |
よく間違えるポイントと対策
試験で引っかかりやすいポイントをまとめました。
混同しやすい数字
「蓄圧式は5年目・加圧式は3年目」という違いは最頻出の引っ掛けポイントです。
覚え方: 「蓄圧式はデリケートだから"5年"経ってから水圧試験」「加圧式はもろいから"3年"で早めに分解点検」
書換えと再交付の違い
- 書換え: 記載内容の変更(氏名・本籍変更)→ 「内容が変わるから書き換える」
- 再交付: 物理的な問題(汚損・亡失)→ 「カードが使えなくなったから新しく交付」
特定・非特定防火対象物の報告頻度
- 特定(飲食店・ホテル・病院等): 毎年報告 → 「たくさんの人が来るから厳しく毎年」
- 非特定(工場・倉庫等): 3年ごと → 「人が少ないから3年に1回でOK」
あわせて読みたい
まとめ
- 消防設備士乙6は出題パターンが固定されており、予想問題の繰り返し演習が最も効果的な対策
- 法令科目は「6ヶ月・1年・3年・5年・10日前」の数字を確実に覚える
- 基礎知識科目は「CO2のA火災不適応」と「各消火剤の主成分」が最頻出
- 構造・機能科目は「蓄圧式(5年目)と加圧式(3年目)の点検時期の違い」が鍵
- 問題演習は4サイクル(理解→定着→弱点補強→直前仕上げ)で効率よく進める
関連する資格ページ
監修・執筆
setsucan 編集部
設備管理・保安資格の取得支援に特化した学習プラットフォーム。現役のビルメンテナンス技術者や設備管理の専門家が監修した正確で実践的な情報を提供しています。