目次
第二種電気工事士の技能試験では、自分で工具を持参して施工作業を行います。工具の選び方によって、作業スピードと品質が大きく変わります。
「何を揃えればいいかわからない」「セット購入と個別購入どちらがいいか」という疑問に答えるために、技能試験用の工具選びを詳しく解説します。
技能試験で使用できる工具
試験規則では、使用できる工具に制限があります。
使用可能な工具(手動工具全般)
使用不可の工具
- 充電式・電動工具(電動ドライバー等)
- テスター・検電器
- 工具以外の電気機器全般
必須工具一覧
技能試験に最低限必要な工具です。
| 工具名 | 用途 | 必須度 |
|---|---|---|
| 電工ナイフ or ケーブルストリッパー | ケーブル外装の剥ぎ取り | 必須 |
| ワイヤーストリッパー | 絶縁被覆の剥ぎ取り | 必須 |
| ペンチ(電工用) | 輪作り、電線の切断・曲げ | 必須 |
| ドライバー(+) | 端子ねじ締め | 必須 |
| ドライバー(−) | 端子ねじ締め(一部の器具) | 必須 |
| 圧着ペンチ(リングスリーブ用) | リングスリーブでの圧着接続 | 必須 |
| プライヤー | 電線管ねじ、ロックナット等 | あると便利 |
| スケール(メジャー) | 電線長さ・剥ぎ取り長の確認 | あると便利 |
工具の種類と選び方
1. ワイヤーストリッパー(最重要工具)
技能試験の中で最も作業時間に影響する工具です。選択が合否を左右すると言っても過言ではありません。
安価なタイプ(1,500〜2,500円)
- 手動で被覆をむく基本型
- 使いこなすには練習が必要
- 電工ナイフと組み合わせて使う
高機能タイプ(ホーザン P-958 など、4,000〜6,000円)
- ワンアクションで外装剥ぎ取りと被覆剥ぎ取りの両方が可能
- 作業スピードが大幅に向上
- 試験対策では最もポピュラーな選択
おすすめ:高機能ストリッパーへの投資は惜しまないことをおすすめします。1,000〜2,000円の差で作業効率が大幅に変わり、時間的に余裕が生まれます。
2. 圧着ペンチ
リングスリーブを使った電線の圧着接続に使います。JIS規格品(黄色のグリップが標準)を選ぶことが重要です。
選び方のポイント
- 必ずJIS C 9711適合品を選ぶ(「リングスリーブ用」と明記されているもの)
- 「小・中・大」サイズのダイス(刻印)が付いているか確認
- 握りやすさも重要(長時間の練習で手が疲れる)
主なメーカー
- マーベル(電工用として信頼性が高い)
- ホーザン(試験対策用セットでよく使用される)
- ロブテックス
3. ドライバー
端子ねじの締め付けに使います。プラスドライバーは2番が中心ですが、1番も使う場面があります。
選び方のポイント
- ドライバーの軸が長すぎると取り回しが難しくなるため、短めのものが便利
- グリップ形状が安定しているものを選ぶ
- 安価なものでも試験用なら十分
4. ペンチ(電工用)
輪作り(ランプレセプタクルへの接続用)に使います。電工用ペンチは一般工具用より口が広く、電線の加工に適した形状です。
5. 電工ナイフ
ケーブルの外装を剥ぎ取るために使います。ただし高機能ストリッパー(ホーザン P-958 等)を購入した場合は、電工ナイフが不要になる場合があります。
コスト別工具セットの比較
エントリーセット(8,000〜12,000円)
含まれる工具(目安)
- 基本ストリッパー、ペンチ、ドライバー2本、圧着ペンチ、電工ナイフ
特徴
- 最低限の工具が揃う
- 工具の品質は標準的
- 作業スピードは習熟度に依存
向いている方:コストを最優先したい方
スタンダードセット(12,000〜18,000円)
含まれる工具(目安)
- 高機能ストリッパー、ペンチ(電工用)、ドライバーセット、圧着ペンチ、プライヤー、スケール
特徴
- 使い勝手のよい工具が揃う
- 作業スピードが上がりやすい
- 試験合格後も実務で使える品質
向いている方:コストと品質のバランスを取りたい方(最もおすすめ)
プレミアムセット(18,000〜25,000円)
含まれる工具(目安)
- 最高性能のストリッパー、プロ用ペンチ、高品質ドライバーセット、高性能圧着ペンチ
特徴
- 作業効率が最大化
- 実務でもそのまま使える
- 長期的なコストパフォーマンスが高い
向いている方:試験後も電気工事の仕事を続ける予定の方
個別購入 vs セット購入
| 比較 | 個別購入 | セット購入 |
|---|---|---|
| コスト | やや高め | セット割でお得 |
| 品質選択 | 各工具を自由に選べる | セット構成に依存 |
| 手間 | 個別に選ぶ手間が必要 | 一度に揃う |
| 向いている方 | 特定工具にこだわりがある方 | 初めて工具を揃える方 |
初めて工具を揃える方にはセット購入が断然おすすめです。一度に必要なものが揃い、相性のよい工具が組み合わさっています。
セット購入時の確認ポイント
圧着ペンチがJIS規格品かどうか
試験で使用できる圧着ペンチはJIS C 9711適合品に限られます。セットに含まれる圧着ペンチが規格品かどうかを購入前に確認してください。
候補問題13種に対応しているか
試験対応工具セットと明記されているものを選ぶと、No.13(金属管工事)で使う工具も含まれていることが多いです。
サイズ・メーカーを確認する
圧着ペンチはサイズ(小・中・大のダイスがあるか)、ストリッパーはケーブルの適応サイズ(VVF 1.6mm・2.0mm・VVR対応)を確認してください。
工具のメンテナンス
練習を繰り返すうちに工具が汚れたり、切れ味が落ちることがあります。
- 圧着ペンチ:圧着部にゴミが詰まったら綿棒などで清掃
- ストリッパー・ナイフ:切れ味が落ちたら交換または砥石で研ぐ
- ドライバー:先端のビットが削れたら交換
試験当日は工具が万全の状態であることを確認してから会場へ向かいましょう。
まとめ
工具選びのポイントをまとめます。
- ストリッパーは高機能タイプへの投資を惜しまない(作業効率が大幅に変わる)
- 圧着ペンチはJIS C 9711適合品を必ず選ぶ(非適合品は試験で使えない)
- 初めて揃えるならスタンダードセット(12,000〜18,000円)が最適
- 試験後も使えるプロ用工具を選べば長期的にコスパが高い
setsucanの過去問解説や用語集も活用して、工具の使い方の理論的な背景知識も補強してください。試験の技能部分と学科の知識を組み合わせて、合格を目指しましょう。
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監修・執筆
setsucan 編集部
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