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第二種電気工事士の技能試験は、事前公表される13種の候補問題から1問が出題されます。制限時間は40分。合否は欠陥の有無で判定されます。
学科試験に比べて合格率は高め(65〜75%程度)ですが、練習なしで合格することは難しい試験です。この記事では、技能試験の全体像から効率よく練習するコツまで詳しく解説します。
技能試験の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験時間 | 40分 |
| 問題数 | 1問 |
| 合否判定 | 欠陥の有無(重大欠陥0・軽微欠陥2以下で合格) |
| 候補問題 | 13種(毎年更新あり) |
| 持ち込み | 工具のみ可(材料は試験会場で支給) |
試験の流れ
- 試験開始前に材料・器具が配布される
- 問題用紙を見て施工条件を確認(2〜3分)
- 配線作業の開始
- 40分後に作業終了
- 試験官が欠陥の有無を確認・判定
試験後、当日中に合否はわかりません。数週間後に合格発表があります。
欠陥の種類と判定基準
技能試験では欠陥が「重大欠陥」と「軽微欠陥」に分類されます。
重大欠陥(1つで不合格)
- 電源の極性間違い(白線と黒線の逆接続)
- 配線の未接続・脱落
- 絶縁被覆を傷つけて心線が露出している
- 接地線の接続忘れ
- 施工条件と異なる配線
軽微欠陥(3つ以上で不合格)
- 電線の剥ぎ取り長さが基準より長い・短い
- 端子ねじの締め付けが不十分
- 結線部分のカバー忘れ
- 完成後の配線の乱れ(ケーブルのよじれなど)
欠陥基準を事前に把握しておくことで、練習中から「欠陥になるポイント」を意識した施工ができます。
候補問題13種の特徴
候補問題は毎年度更新されますが、基本的な構成要素は変わりません。各問題で練習すべきポイントを押さえましょう。
| 候補問題 | 特徴・練習ポイント |
|---|---|
| No.1 | スイッチ・コンセントの基本的な配線 |
| No.2 | 埋込スイッチ2個の3路スイッチ回路 |
| No.3 | コンセント・照明の基本回路 |
| No.4 | 差込コネクタの多用、複数接続 |
| No.5 | 4路スイッチを含む複雑な回路 |
| No.6 | タイムスイッチ・電磁開閉器との組み合わせ |
| No.7 | 2灯2スイッチの基本構成 |
| No.8 | EET(露出型コンセント)の配線 |
| No.9 | 3路スイッチと4路スイッチの組み合わせ |
| No.10 | リモコンスイッチとリモコントランスの配線 |
| No.11 | 複線図の複雑さが増した問題 |
| No.12 | 自動点滅器・タイムスイッチを含む回路 |
| No.13 | 金属管工事の基本(金属管へのケーブル引き込み) |
すべての候補問題に共通して必要なのは「複線図を正確に書いて、それ通りに配線する能力」です。
練習の進め方
ステップ1:複線図の書き方を身につける(1〜2週間)
技能試験で最初にやるべきことは、単線図を複線図に書き換える練習です。
複線図の基本ルール
- 接地側(白線)を電源→負荷(照明・コンセント)に直接接続
- 非接地側(黒線)をスイッチ・ブレーカー経由で接続
- スイッチの先(アウト側)を対応する照明に接続
この3つのルールを覚えれば、どんな回路も書けます。まず複線図を紙に何度も書く練習をしましょう。
ステップ2:工具の扱いを覚える(1〜2週間)
複線図が書けるようになったら、工具を使って実際に施工する練習を始めます。
最初に練習すべき基本操作
- ケーブルの外装剥ぎ取り(ナイフまたはストリッパー)
- 絶縁被覆の剥ぎ取り(規定長さに合わせる)
- 輪作り(ランプレセプタクルや露出形コンセント用)
- 差込コネクタへの接続
特に「輪作り」は時間がかかりやすく、最初はきれいな輪を作るだけで苦労します。他の作業と並行して繰り返し練習しましょう。
ステップ3:候補問題を1問ずつ完成させる(3〜4週間)
複線図と工具操作に慣れてきたら、候補問題を1問ずつ最初から最後まで通して作る練習をします。
練習の目標設定
- 最初は時間を気にせず「正確に完成させること」
- 慣れてきたら「40分以内に完成させること」
- 最終的に「30〜35分以内に完成させること」(見直し時間を確保)
各問題を1〜2回完成させた後、特に苦手だった問題を繰り返し練習しましょう。
ステップ4:試験直前の仕上げ(1〜2週間)
すべての候補問題を1回以上完成させたら、直前期は苦手な問題を重点的に練習し、時間内に完成できる感覚を体に染み込ませます。
必要な工具
技能試験に必要な主な工具は以下の通りです。
| 工具 | 用途 |
|---|---|
| 電工ナイフ | ケーブル外装の剥ぎ取り |
| ワイヤーストリッパー | 絶縁被覆の剥ぎ取り |
| ペンチ | 電線の曲げ・輪作り |
| ドライバー(+/-) | 端子ねじの締め付け |
| 圧着ペンチ(リングスリーブ用) | リングスリーブでの接続 |
| プライヤー | 各種作業補助 |
| 電工用スケール(メジャー) | 剥ぎ取り長さの確認 |
工具はセット販売品を購入するのが効率的です。別途「こだわりの工具」を追加したい場合は、ワイヤーストリッパーを高性能なものにアップグレードすると作業スピードが上がります。
練習材料の調達
技能試験の練習には電線・器具類が必要です。候補問題13種すべてを2〜3回練習するための材料セットが、参考書出版社や工具メーカーから販売されています。
材料の購入のポイント
- 候補問題13種対応セットを選ぶ
- 電線は実際に使える長さのものを選ぶ(細かくカットされていると練習しにくい)
- 練習後の電線は繰り返し使用できるため、消耗品の補充分も考えておく
よくある失敗と対策
時間が足りなくなる
40分は長そうに見えて、慣れないうちはあっという間に過ぎます。対策は練習あるのみです。特に「輪作り」「外装剥ぎ取り」は時間のかかりやすいポイントなので重点的に練習しましょう。
白線と黒線を逆に接続する
試験前と施工中に複線図を確認する習慣をつけてください。白線(接地側)は基本的に接地側端子(W表示またはシルバーねじ)に接続します。
電線の剥ぎ取り長さのミス
器具ごとに規定の剥ぎ取り長さが異なります。練習段階から各器具の規定長さを意識した施工を心がけましょう。
まとめ
技能試験の合格には練習量が物を言います。
- 複線図が正確に書けることが土台
- 工具操作の習熟で施工時間を短縮
- 13種すべての練習で本番どの問題が出ても対応できる状態にする
- 欠陥基準の把握で練習中から意識した施工を心がける
setsucanの過去問解説や用語集も活用して、試験に必要な知識を効率よく固めてください。技能試験の判定に関わる配線理論も、過去問から体系的に学べます。
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setsucan 編集部
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