目次
「第一種と第二種、どちらから取るべきか」「第二種を持っているが、第一種に挑戦するタイミングは?」という疑問を持つ方のために、2つの資格を徹底比較します。
一言で言うと
第一種は第二種の上位資格であり、担当できる工事の範囲が大幅に広がります。
基本情報の比較
| 比較項目 | 第一種 | 第二種 |
|---|---|---|
| 担当できる工事 | 500kW未満の需要設備 + 一般用電気工作物 | 600V以下の一般用電気工作物 |
| 試験形式 | 学科試験(筆記/CBT)+技能試験 | 学科試験(筆記/CBT)+技能試験 |
| 試験実施回数 | 年1回(学科のみCBTあり) | 年2回(上期・下期) |
| 学科合格率 | 約40〜50% | 約55〜70% |
| 技能合格率 | 約60〜65% | 約70〜75% |
| 免状交付条件 | 試験合格+実務経験3年(認定電気工事従事者等は別途) | 試験合格のみ |
| 定期講習 | 5年ごとに義務あり | なし |
第一種の大きな特徴は、免状交付に実務経験3年が必要という点です。試験に合格しても実務経験が足りなければ「第一種電気工事士」を名乗れません(「第一種電気工事士合格者」として活動することは可能)。
担当できる工事の違い
第二種で担当できる工事
- 一般住宅の新築・改修電気工事
- 小規模店舗の電気工事
- 一般用電気工作物(600V以下の低圧受電)の設備
第一種で担当できる工事(第二種の範囲を含む)
具体的なイメージ
| 工事の種類 | 第二種 | 第一種 |
|---|---|---|
| 一般住宅のコンセント増設 | ○ | ○ |
| コンビニの電気工事 | ○ | ○ |
| オフィスビルの低圧配線 | ○ | ○ |
| 工場の高圧受変電設備の工事 | × | ○ |
| デパートの受変電室内の作業 | × | ○ |
| マンションの高圧受電設備の工事 | × | ○ |
試験内容の違い
学科試験
| 項目 | 第一種 | 第二種 |
|---|---|---|
| 問題数 | 50問 | 50問 |
| 試験時間 | 2時間20分 | 2時間 |
| 合格基準 | 60%以上(30問) | 60%以上(30問) |
| 出題傾向 | 高圧・特別高圧設備の内容を含む | 低圧設備中心 |
第一種学科で追加されるテーマ
第二種の学習内容の上に、高圧設備の知識が乗ってくるイメージです。
技能試験
| 項目 | 第一種 | 第二種 |
|---|---|---|
| 試験時間 | 60分 | 40分 |
| 候補問題 | 10種(公表) | 13種(公表) |
| 特徴 | 高圧機器の模擬端子台が登場 | 低圧機器のみ |
第一種の技能試験は第二種より20分長く、高圧受変電設備の模擬端子台への接続作業が加わります。
難易度の比較
合格率から見る難易度
| 試験 | 第一種 | 第二種 |
|---|---|---|
| 学科 | 40〜50% | 55〜70% |
| 技能 | 60〜65% | 70〜75% |
| 最終合格率(両試験突破) | 約26〜33% | 約39〜53% |
第一種は第二種より学科・技能ともに合格率が低いです。
必要な学習時間の目安
| 条件 | 第一種 | 第二種 |
|---|---|---|
| 第二種保有・実務経験あり | 100〜200時間 | — |
| 第二種保有・電気初学者 | 150〜250時間 | — |
| 電気系資格なし | 300〜400時間以上 | 100〜200時間 |
年収・待遇の違い
資格手当の目安
| 資格 | 月額手当の目安 |
|---|---|
| 第二種電気工事士 | 3,000〜10,000円 |
| 第一種電気工事士 | 5,000〜20,000円 |
| 両方保有 | 1種分のみ(または合算)が多い |
担当できる工事の規模と年収
第一種を取得すると高圧設備・大規模工事を担当できるため、工事単価が高い仕事にアクセスできます。
| 状態 | 年収目安(中堅) |
|---|---|
| 第二種のみ | 350〜480万円 |
| 第一種取得後 | 400〜580万円 |
| 1種+施工管理技士(1級) | 500〜700万円 |
どちらを先に取るべきか
第二種から取得すべき人
以下に当てはまる方は電工2種から始めることをおすすめします。
- 電気工事の実務経験がない
- 電気の基礎知識に自信がない
- まずは就職・転職に使いたい
- 一般住宅・店舗の電気工事がしたい
- ビルメン転職を考えている
理由
第二種は受験資格の制限がなく(年齢・学歴不問)、試験の難易度も第一種より低いです。実務経験がなくても試験合格と同時に免状取得できるため、すぐに「電気工事士」として活動できます。
第一種から(または同時期に)目指すべき人
以下に当てはまる方は第一種を早期に取ることを検討しましょう。
- 電工2種を持っていて実務経験が3年以上ある
- 大規模施設・工場の電気工事をしたい
- 施工管理技士(1級)を目指す計画がある
- 独立して工事業を営みたい
最も効率的な取得ルート
第二種電気工事士(取得:試験合格のみ)
↓ 実務経験を3〜5年積む
第一種電気工事士の試験を受験(20歳以上で受験可能)
↓ 試験合格 + 実務経験3年の確認
第一種電気工事士の免状取得
第一種の試験は実務経験なしで受験できます。ただし免状交付には実務経験3年が必要なため、「早めに試験に合格しておいて、経験が揃った段階で免状申請する」という戦略が有効です。
FAQ:よくある質問
Q:第二種を取らずに第一種を受験できますか?
A:できます。第一種の学科試験・技能試験に受験資格の制限はありません(免状交付には実務経験が必要)。ただし第一種の学習には第二種の知識が前提になるため、実質的には第二種から始めることをおすすめします。
Q:第二種の免状が手元にないと第一種の技能試験は受けられませんか?
A:技能試験の受験自体に第二種の免状は不要です。学科試験に合格すれば技能試験を受験できます。
Q:第一種取得後は第二種は不要になりますか?
A:第一種は第二種の工事範囲をすべてカバーしているため、第二種の更新等は不要です。ただし免状はそのまま持ち続けることに問題はありません。
まとめ
第一種・第二種の違いをまとめます。
| 比較項目 | 第一種 | 第二種 |
|---|---|---|
| 担当できる工事 | 広い(高圧設備含む) | 低圧(600V以下)のみ |
| 難易度 | やや高い | 入門レベル |
| 免状取得条件 | 試験合格+実務経験3年 | 試験合格のみ |
| 最初の1種として | 上位資格として取得 | スタートとして取得 |
まず第二種を取って、実務経験を積んでから第一種へ というルートが最も現実的です。
setsucanの過去問解説や用語集も活用して、電工2種の合格を確実にしてから次のステップを目指してください。
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監修・執筆
setsucan 編集部
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