目次
二級ボイラー技士の試験で難しいのは、4科目すべてに最低点(40%)の要件があることです。得意科目で高得点を取っても、1科目でも40%を下回ると不合格になります。
この記事では、4科目それぞれの攻略法と、絶対に落とせない頻出ポイントを解説します。
合格基準の再確認
まず合格基準を確認します。
| 条件 | 基準 |
|---|---|
| 各科目の最低点 | 40%以上(各科目4問以上正解) |
| 全体の合格ライン | 60%以上(40問中24問以上正解) |
「全体で60%以上」かつ「各科目40%以上」の両方を満たすことが必要です。
科目1: ボイラーの構造
難易度と配点
初学者には最も難しく感じる科目です。専門用語と構造の理解が必要ですが、一度理解できれば安定して得点できます。
頻出テーマ
炉筒煙管ボイラーと水管ボイラーの比較(最頻出)
最もよく出題されるテーマです。管の中を何が流れるかという基本から整理しましょう。
| 種類 | 管の中を流れるもの | 特徴 |
|---|---|---|
| 炉筒煙管ボイラー | 燃焼ガス | 保有水量大・安定供給・起動に時間がかかる |
| 水管ボイラー | 水・蒸気 | 高圧・大容量・起動時間短・保有水量少 |
安全弁と逃がし弁の違い
蒸気ボイラー→安全弁、温水ボイラー→逃がし弁、という対応が頻出です。
圧力計の規定
圧力計の最大目盛は「最高使用圧力の1.5倍以上3倍以下」。この数字は必ず暗記してください。
攻略のコツ
- 図で覚える: テキストの図を繰り返し見て、「水の流れ」「ガスの流れ」を体で覚える
- 対比で覚える: 炉筒煙管vs水管、安全弁vs逃がし弁、蒸気ボイラーvs温水ボイラー
- 附属品の必須3点セット: 安全弁・水面計・圧力計は蒸気ボイラーの必須附属品
科目2: ボイラーの取扱い
難易度と配点
実務的な内容で「なぜその操作が必要か」という理由を理解すると記憶に残りやすい科目です。
頻出テーマ
プレパージ(前換気)
点火前に炉内・煙道の残留ガスを排出する操作。残留ガスに点火すると爆発の危険があるため必須。
水面計の機能確認(法令上の義務)
- 1日1回以上機能確認が法令で義務付け
- ボイラー取扱作業主任者の最重要職務
ブローの目的と種類
| 種類 | 目的 |
|---|---|
| 間欠ブロー(底部ブロー) | スラッジ(沈殿物)の排出 |
| 連続ブロー(表面ブロー) | 缶水の濃縮(塩類濃縮)防止 |
キャリオーバー
蒸気に水分が混入して送られる現象(気水共発)。原因は高水位・急激な負荷増大・水質悪化等。
低水位遮断装置
水位が最低安全水位以下になると自動的に燃料供給を遮断する安全装置。空焚きを防ぐ。
攻略のコツ
- 「なぜその操作が必要か」という理由とセットで覚える
- 水面計・低水位遮断装置は安全の要。役割を深く理解する
- ブローの「底部=スラッジ除去」「表面=濃縮防止」を区別
科目3: 燃料及び燃焼
難易度と配点
化学的な知識が出てきますが、計算問題は少なく概念の理解が中心です。
頻出テーマ
重油の特性
| 特性 | 内容 |
|---|---|
| 粘度 | 温度が高くなると低下(→予熱が必要) |
| 引火点 | 60℃以上(高い)→危険物4類の中では安全な部類 |
| 硫黄分 | 含まれる→燃焼後にSO2(亜硫酸ガス)発生 |
空気比(過剰空気係数)
空気比 = 実際の空気量 ÷ 理論空気量
- 1より大: 空気過剰→排ガス熱損失が増大
- 1より小: 空気不足→不完全燃焼・煤(ばい)じん発生
- 最適値: 重油は約1.2〜1.3
通風の4種類
| 種類 | 方式 | 特徴 |
|---|---|---|
| 自然通風 | 煙突の温度差(浮力)を利用 | 設備不要・制御困難 |
| 強制通風(押込) | 炉前の送風機(FDF)で空気を押し込む | 安定した空気供給 |
| 誘引通風 | 煙道の排風機で排ガスを引き出す | 炉内負圧維持 |
| 平衡通風 | 押込+誘引を組み合わせ | 大型ボイラーに使用 |
都市ガスとLPGの比較
| ガス種類 | 比重 | 特徴 |
|---|---|---|
| 都市ガス(メタン主成分) | 空気より軽い | 漏れると上方に拡散 |
| LPG(プロパン主成分) | 空気より重い | 漏れると床に溜まる→危険 |
攻略のコツ
- 空気比の「大き過ぎ=排ガス損失」「小さ過ぎ=不完全燃焼」の2パターンを押さえる
- 通風4種類は表にして整理。自然通風の原理(温度差→密度差→浮力)を理解する
科目4: 関係法令
難易度と配点
暗記中心で、数字を確実に覚えれば得点しやすい科目です。
必ず覚える数字一覧
| 事項 | 数字 |
|---|---|
| 二級ボイラー技士の取扱い範囲 | 伝熱面積25㎡未満 |
| 性能検査の頻度 | 1年に1回 |
| 水面計の機能確認 | 1日1回以上 |
| ボイラー室の天井まで | 1.2m以上 |
| 圧力計の最大目盛 | 最高使用圧力の1.5〜3倍 |
頻出テーマ
免許の交付者
ボイラー技士免許は 厚生労働大臣 が交付。消防設備士(都道府県知事)・電気工事士(都道府県知事)と混同しないこと。
落成検査と性能検査の違い
| 検査 | 時期 | 目的 |
|---|---|---|
| 落成検査 | 設置後・初回使用前 | 新設ボイラーの使用許可 |
| 性能検査 | 使用中・1年ごと | ボイラーの継続使用許可 |
攻略のコツ
- 数字の一覧表を手書きで作り、毎日10分確認する
- 免許交付者は「ボイラー技士=厚労省管轄=厚生労働大臣」とセットで覚える
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まとめ
4科目の攻略ポイントをまとめます。
| 科目 | キーポイント |
|---|---|
| 構造 | 炉筒煙管vs水管の「管の中の流れ」を図で理解 |
| 取扱い | 操作の「理由」をセットで理解。水面計確認は1日1回 |
| 燃焼 | 空気比・通風4種類・重油の粘度特性 |
| 法令 | 数字の一覧表を作って毎日確認 |
全科目40%以上を確保することが最優先。苦手科目を放置せず、バランスよく学習を進めていきましょう。
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監修・執筆
setsucan 編集部
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