目次
ビルメン4点セットを取得した後、「次はどこを目指すのか」で年収が大きく変わります。
その答えがビルメン三種の神器と呼ばれる3つの上位資格です。4点セットが「現場で働く最低ライン」なら、三種の神器は「稼げるビルメン」への扉です。この記事では、三種の神器の概要・取得難易度・年収への影響を解説します。
ビルメン三種の神器とは
ビルメン業界でよく使われる「三種の神器」とは、以下の3資格を指します。
| 資格名 | 通称 | 所管 | 選任義務 |
|---|---|---|---|
| 建築物環境衛生管理技術者 | ビル管 | 厚生労働省 | あり(特定建築物) |
| 電気主任技術者(第三種) | 電験三種 | 経済産業省 | あり(高圧受電設備) |
| エネルギー管理士 | エネ管 | 経済産業省 | あり(第一種指定工場) |
3資格に共通するのは、「選任義務がある」点です。資格保有者を法的に配置しなければならない施設があるため、有資格者は企業にとって不可欠な存在になります。
各資格の詳細
建築物環境衛生管理技術者(ビル管)
どんな資格か:延べ床面積3,000㎡(学校は8,000㎡)以上の特定建築物の環境衛生を管理する責任者の資格。ビルメンの「最上位資格」とも呼ばれます。
受験資格:特定建築物の設備管理業務の実務経験2年以上(条件あり)
試験内容:7科目・180問の択一式試験(出題範囲が広い)
合格率:約15〜20%
選任義務:特定建築物(オフィスビル・デパート・ホテルなど)に1名以上の選任が必要
年収への影響:ビル管取得後は年収400〜600万円クラスの求人に応募しやすくなる。選任手当として月1〜5万円が加算される職場も多い。
電気主任技術者(第三種)
どんな資格か:高圧・特別高圧の電気設備の工事・維持・運用の監督ができる資格。「電験三種」の名で親しまれる。
受験資格:なし(誰でも受験可能)
試験内容:理論・電力・機械・法規の4科目(科目合格制度あり)
合格率:約8〜15%(2022年から年2回実施)
選任義務:高圧・特別高圧受電設備のある事業所に電気主任技術者の選任が必要(外部委託も可)
年収への影響:取得後は設備管理の上位職・電気設備の専任者として採用される。年収500〜700万円クラスの求人も視野に入る。3資格の中で最も取得が難しいが、最も高収入につながる。
エネルギー管理士
どんな資格か:エネルギーを大量に使用する工場や建物のエネルギー使用の合理化を管理する資格。
受験資格:なし(誰でも受験可能)※免状取得には実務経験1年以上が必要
試験内容:熱・電気の2分野のいずれかを選択(4課目)
合格率:約20〜25%
選任義務:第一種エネルギー管理指定工場(年間熱使用量3,000kL以上など)に管理者の選任が必要
年収への影響:大型施設・工場系の管理職への転職で評価が高い。ビル管と組み合わせると年収アップ効果が大きい。
4点セットから三種の神器へのキャリアパス
一般的なビルメンのキャリアステップ
無資格・未経験
↓ まず取得
第二種電気工事士
↓ 並行で取得
危険物乙4 + ボイラー + 冷凍機械(4点セット完成)
↓ 経験を積みながら挑戦
ビル管(実務2年で受験資格)
↓ 並行で学習
電験三種(難易度高・時間をかけて取得)
↓
エネルギー管理士(電験三種と相性良し)
4点セットと三種の神器の関係
4点セットは「現場で使える資格」、三種の神器は「選任義務がある資格」です。
| 区分 | 特徴 | 年収帯 |
|---|---|---|
| 無資格 | 補助作業のみ | 200〜280万円 |
| 4点セット | 現場の主力として活躍できる | 280〜400万円 |
| 4点セット+ビル管 | 特定建築物の管理責任者になれる | 400〜550万円 |
| 4点セット+電験三種 | 高圧設備の主任技術者になれる | 450〜650万円 |
| 三種の神器すべて | 業界トップクラスの評価 | 500〜750万円 |
三種の神器の難易度比較
3資格のうち、どれから目指すかは難易度と受験資格で選びましょう。
| 資格 | 難易度 | 勉強時間目安 | 受験資格 |
|---|---|---|---|
| ビル管 | ★★★☆☆ | 400〜600時間 | 実務2年 |
| 電験三種 | ★★★★★ | 1,000〜2,000時間 | なし |
| エネ管 | ★★★★☆ | 600〜1,000時間 | なし |
多くのビルメンは、実務2年で受験資格が得られるビル管を最初の目標にします。電験三種は難易度が高いため、計画的に5年以上かけて取り組む方も多いです。
まとめ
- ビルメン三種の神器は「電験三種・エネルギー管理士・ビル管」の3資格
- 3資格に共通するのは選任義務があること。有資格者は企業に不可欠な存在になる
- 4点セットとの違いは「年収帯」:4点セットは300〜400万円、三種の神器は500万円超を狙える
- ビルメン転職後の最初のステップアップは**ビル管(実務2年後)**が定番
- 電験三種は最難関だが、最も高収入につながる資格
あわせて読みたい
監修・執筆
setsucan 編集部
設備管理・保安資格の取得支援に特化した学習プラットフォーム。現役のビルメンテナンス技術者や設備管理の専門家が監修した正確で実践的な情報を提供しています。